その線、何のため引いてるんですか?線引きに関する本質を理解をしましょう

Photo by Ev on Unsplash投資・トレード
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この記事の対象読者
・平行チャンネルなどのライントレードの基本は理解している
・マルチタイムフレームなどの基本的なチャートの使い方は理解している
・上記で対応できないイレギュラーな相場にふりまわされる
・本当に重要な線をひくことができない

・市場の呼吸が読めずに騙しにあうことが多い

その線、何のために引いてるんですか?

テクニカル分析の基本は覚えたのだけどうまく機能していないという人のために、基本中の基本である線引きについて少し突っ込んだ解説します。
なんとなく線を引いているとか、どんな相場でも同じような方法で高値安値を結んでチャンネルをつくっている人が多い多いと思います。最初はそれでもいいと思います。
でも、だんだんそれだけでは理解できないポイントが増えてくると思います。
そんなときに一歩上を目指すためのヒントとしてこの記事を書きました。

線引きにもいろいろある!

思いつく限りで簡単にまとめると、線引きの理由を分類すると下記のようになります。

・水平線により過去オーダーの参照
・斜線によりトレンド角度の参照
・ボラティリティの拡大・縮小の表示
・パターンの表示
・市場が見ているラインを推定

結構いろいろありますね。
もし何も考えずにどこかのサイトで書かれているままに使っているとしたら、おそらく線引きに振り回されていると思います。

水平線により過去オーダーの参照

まず、水平線と斜線って、全然違う意味合いがあることをご存じですか?
ざっくりいうと水平線は水準を表すものです。斜線は角度をあらわすものです。
斜線については後述するとして、では、なぜ水平線で水準を表す必要があるのか?
それはその水準で過去にどのようなオーダーがはいっていたかを見るためです。

過去のオーダーがたまっているところには水平線をひける

なぜオーダーがたまっているところが重要なのでしょう。
オーダーがたまっているところは、そこで損切りや利確といった行動が起きやすいラインです。

以下も併せてご参照ください。

斜線によりトレンド角度の参照

斜線というのは、一義的には角度を表すものです。
何の角度かというとトレンドの角度です。なぜ角度をはかる必要があるかというと、トレンドの角度というのは、簡単に言えば値幅/時間です。距離/時間=速さ、という式と似ています。

base trendの角度を意識しよう
2017-2020年までのSPYチャート画像。線①はなだらか。②は急角度。③は①と同程度


上記でいえば①はなだらかですが、②は急角度、③はまたなだらかですね。
②を見たときに、なぜ、この線は急角度に進んでいるのか?このまま続いていくことはあるのか?という疑問が浮かんで来る人は、尺度感覚があります。
結局この②のトレンドはある地点までいったところで角度を維持できずになだらかなトレンド③にかわりました。
このように、角度をはかる目安にするというのが、斜線の重要な役割です。

ボラティリティの拡大縮小の表示

斜線を引くもうひとつの目的はボラティリティの拡大・縮小を見ることです。
気づいていない人が多いですが、ボラティリティの拡大・縮小を見るということとチャートパターン分析というのは、同義に近いものです。

ボラティリティの拡大・縮小を見る。ボリンジャーバンド幅やATRなどを使うこともできる。

上記画像では青ラインにてボラティリティの拡大を幾何学的に表現することができています。また、赤ラインにて縮小を表現しています。チャートパターンを表現したいときは、ボラティリティを意識しないと的の外れたパターン分析となるということを覚えておきましょう。
ボラティリティはボリンジャーバンド、ボリンジャーバンド幅、ATRなどでも確認することはできます。私は通常目視と線引きでわかってしまうので、分析上は使用することはないですが、プレゼンテーションとしては便利なので使用することはあります。

余談ですが、トレンドチャンネルは必ずしても平行線になるとは限りません。トレンド角度やボラティリティに関する見方を含めて柔軟かつ多角的にとらえていけるようにしましょう。

パターンの表示

上記でパターンとボラティリティというのは関連していることを説明しました。
通常、チャートパターンも直線の組み合わせでつくります。
チャートパターンについては下記をご覧ください。

市場が見ているラインを推定

ラインをエントリーやストップの根拠にすることはトレードの基本です。
しかし、根拠にしていいラインとしてはいけないラインがあります。

・市場が見ているラインを根拠にする
・あなたが分析のために使っているだけのラインを根拠にしてはいけない

となります。

実例で解説していきます。tradingviewで実際にリアルタイムに解説していた状況ですが、それをまとめたのが下記のチャートです。

画像A:SPXのチャート画像。赤の安値をつけた時点で青ラインを推定。緑、紫矢印で効いているのがわかる。
画像B:SPXのチャート。急角度の上昇の後には角度を緩くしたり崩れたりしている。

画像Aの赤ラインは2019年10月からのトレンドラインとなっているもので、上昇のトレンドラインとしてはかなり急角度なものとなっています。
画像Bを見ると過去に青や緑のトレンドでも急角度な上昇後は、チャートが崩れたり、緩やかなトレンドに切り替わったりしています。
画像Aを再び見ると、赤矢印の点で赤ラインを下抜けしてトレンドを維持できなくなった可能性が出てきました。そこで、私は新しいトレンドラインとして青ラインをひいてみました。この時点では、まだ青ラインは仮であり、市場の注目度はあまり高くないことを承知の上で引く必要があります。
さらに緑の矢印のあたりまできて、多少平行線を突き抜けてチャンネルがエクスパンジョン(拡大)していますが、おおむね青ラインの正当性が再確認できました。
そうなると上向きウェッジのような形となってきてますので、崩れた場合は大きく下落する可能性がでてきましたが、案の定崩れました。
さらに紫矢印のところでトレンドライン側の青ラインがサポートとなる可能性があり、やはりそこで少し持ち合いとなりましたが、結局ここを割ったことでトレンドを支持するものが何もなくなり一気に下落相場へ突入した形となります。

このように新たな斜線をエントリーストップの根拠として引く場合は、その効果を疑いながら使っていく必要があります。
ボラティリティやトレンド角度を目視確認するための線と、市場の見ている線とは明確に区別して使いましょう。
実際の市場の反応をみつつ、市場が何を見ているのかを探りながら考えを修正していかないといけません。これは線引きに限らずテクニカル分析一般に言えることでもあります。

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まとめ

今回はテクニカルの基本の線引きを行う上でヒントになるように簡単に説明しました。
いろいろな要素があることはお判りいただいたと思いますが、かえって難しい印象をもたれた方もいらっしゃると思います。そんなに簡単に行えたらみんなが常勝トレーダーになってしまいます。
この手の話はひとつの記事にしきれる内容ではないので別の機会に補足していこうと思います。
何か疑問がある人は直接picassomanまでメッセージをいただければ可能な範囲でお答えしますよ!

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