チャートパターン分析から需給分析へ~値動きの本質がわかる

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この記事で読者が得られるかもしれない情報は
・チャートパターン分析の基本を知る
・チャートパターン分析の原理を知る
・上記を通じて需給を読む能力の本質を身に着ける

今回はチャートパターン分析を解説していきます。 この記事ではできる限りどのようなメカニズムでチャートパターンが発生し、どのように有効なのかを解説します。踏み込んだ解説のほとんどは私の独自の執筆であり、どの書籍にもサイトにも載っていないものです。

チャートパターン分析から需給分析へ

メジャーなチャートパターンを紹介しつつ解説

チャートパターンが実際にはどのように機能するのか、なぜ機能するのかということを、メジャーなチャートパターンを紹介しつつ解説していきます。
パターンが出て反転するときは反転パターン、パターンが出てトレンドが継続するときは継続パターンと呼ぶことがあります。

なお、S&P500のような株価指数を念頭に紹介していますが、為替や商品でもほとんどのパターンは機能するとは思います。

なお、書籍にて網羅的な情報を確認したい方は、古くても信頼できる本を読むことをお勧めします。

ヘッドアンドショルダー(三尊天井)

もっとも有名なチャートパターンであると同時に誤解されやすいチャートパターンです。
このパターンを見るときに大事なことは

・肩のところで持ち合いをつくる水平ブレイクパターンである
・パターンが見えたからといって必ずブレイクするわけではない(予測力はもたない)

・持ち合いが大きいほどブレイクしたときにしっかり値動きを伴う

この3点です。これだけ理解していればあとの要素は些細なことです。
ヘッドアンドショルダーといえるチャートを一つ貼ります。

2018年の大暴落を引き起こしたヘッドアンドショルダーのチャート

このチャートはあまりきれいなヘッドアンドショルダーではありません。やや左右バランスが悪いですね。
しかし、上記で挙げた肩のところでの持ち合いはしっかりつくっています。
2018年の春と秋に同水準の持ち合い(肩)をつくって最後に大きく暴落しています。
原理的なことを言うと、高値を更新できずに一度値を戻すと、前回オーダーがたまっていた水準で持ち合いをつくりやすいという、一般的な水平性質を応用しているにすぎません。 かなり大きな持ち合いができると、ブレイクしたときには十分な値動きが期待できます。
逆に言えばどんなにきれいな三つの山ができていても、十分な持ち合いがない場合には、何のパターンでもないと思います。特に分足とか小さい時間足では全く意味がありません。
なお、こういったパターンができたからといって必ずしも下落するわけではありません。統計をとったわけではないですが50:50だと思います。 また下抜けずに上に行くこともあります。これをヘッドアンドショルダーの失敗などと呼ぶことがありますが、別に普通のことです。それでも上昇トレンドが続いていたものが半々の確率で下落するところまできたというだけでも十分なサインといえます。また、ブレイクタイミングをとりやすいのでトレーダーに注目されています。

インバースヘッドアンドショルダーという天底が逆のタイプもあります。
下図は同じ時期のチャートになります。

インバースヘッドアンドショルダーの例

形としてはかなりバランスが悪いですが、2018年末の大底をヘッドとして、2018年秋の持ち合いに、2019年7月ごろの下落で持ち合いを重ねています。その後高値を更新、また、10月ごろ下落しますが、再度持ち合いを重ねるような形となり最後は大きく上昇しています。このような継続型のインバースヘッドアンドショルダーというのは株価指数で多く見られます。

ウェッジ、フラッグ、ペナント

ウェッジ、フラッグ、ペナントというのは、通常トレンドの途中で一服するときに出る持ち合いパターンです。

ウェッジ、フラッグ、ペナント

ウェッジは先細り、フラッグは平行のパターンです。 ペナントは上下対称の三角パターンです。

ウェッジやフラッグは、通常はトレンド方向に逆行する形で形成されますが、最終的にトレンド方向にブレイクすることを期待するものです。そのような継続パターンとして出る場合には、ウェッジとフラッグを区別する意味はほとんどありません。ウェッジかなと思っていても、ブレイクするたびに戻されて、ウェッジからフラッグになることはよくあります。それどころか継続できずにそのまま反転してしまうこともあります。ウェッジやフラッグは常に失敗パターンとなる可能性を見ておく必要があります。

ウェッジのだまし

ペナントは、ウェッジやフラッグよりも水平レベルに収束していくという性質が強いです。そのレベルには、重要な意味がある場合もありますので、ペナントが出そうだなと思ったら確認してみるとよいかもしれません。
また、これらの継続パターンのブレイクポイントというのは、時間足ならばNYのオープンタイムであったり、日足ならFOMCのような重要イベントであったり、最初からそれを想定していたかのようにパターンが形成されることも多いです。

ウェッジには、このような継続パターンだけではなく反転パターンとして作用することもあります。
トレンドの最終域にランニングウェッジというパターンが発生することで反転します。

赤線がランニングウェッジ

上図では上昇トレンドの最後にランニングウェッジ(赤)が出現し、下方ブレイクすることで反転しています。株価指数ではよくみられるパターンです。
なお、紫はウェッジ(またはフラッグ)、青はフラッグ、緑はペナントです。

ラウンディング

ラウンディングというのは、上昇トレンドにおいて、かなり強い売りがはいってもある一定ラインで踏みとどまり、底を確認するにつれて買いが増えてきて、結局また上昇に戻るといったパターンです。いわゆるbuy the dip(押し目買い)が成功するパターンです。主に一時的な下落の底で出現するものであり、天井ではまず起こりません。
実際、 いろいろな本やサイトでいろいろな解説があると思いますが、 ラウンディングは、単一の幾何学的なパターンではなく複合的な現象です。パターンだけで考えるのは無意味なので、水平レベルや環境などもあわせて総合的に判断してください。

ラウンディングの例

アセンディングトライアングル、ディセンディングトライアングル

おそらく、チャートパターンと呼ばれるものの中でもっとも信頼度が高いのがこのパターンです。

アセンディングトライアングル

アセンディングトライアングルはチャートがレジスタンスに抑えられながらも徐々に下値を切り上げていくパターンです。いよいよ狭くなってきたときに上にブレイクします。
ディセンディングトライアングルはこの逆のパターンです。
比較的信頼度の高いパターンではありますが、稀にだましブレイクがあったり、反対方向にブレイクしてしまうことがありますが、そのような場合には環境的に予測される何かがあるはずです。
また、抵抗となる水平線が甘く、ウェッジのようになってしまうと反転パターンとして機能してしまう可能性が高いです。

メガフォン(エクスパンディング)

チャネルが閉じるのではなく開いていくパターンです。
これが出たからどちらにブレイクするといったタイミングツールとして使うというよりは、相場が不安定化していることのサインとしてとらえるのが良いです。上げと下げの材料で相場心理が二極化しているともいえます。
ボラティリティの高まりをダイレクトに示しているため、将来の下落の予兆であったり、下落幅の拡大であったりといったことにつながりやすいです。

メガフォンパターンの発生

シンメトリカルトライアングル

これは上昇傾向の強い株価指数ではほとんど起こり得ませんが、為替や商品など一定の範囲内で価格が上下するものでは起こりやすいパターンです。三角形の頂点近くでブレイクすることになります。

シンメトリカルトライアングル

結局チャートパターンとはなんなのか?

チャートパターンとは結局ボラティリティの変化や持ち合いの状況を幾何学的に示したものと言えます。

takerとmakerの力関係でボラティリティの変化やチャートパターンの形成がされる

ボラティリティはtaker と makerの力関係により大きくなったり小さくなったりします。
材料により動きがでたときに、材料を消化して徐々にtakerよりmakerの力が強くなって来ればボラティリティは減少してきます。そうするとチャンネルが狭くなってきますが、徐々にmakerのとれる利幅は縮小してくるため、ある時点でtaker優位となりブレイクが起こることになります。これが三角持ち合いブレイクです。
一方、 好材料と悪材料が両方とも強力で、市場環境が二極化したりすると、両方向ともにtakerの力が強くボラティリティが拡大するといったことが起きます。これがエクスパンディングです。

またボラティリティ自体は一定でも、材料に欠けるとか、イベント待ちのために、ある水準で持ち合いにて調整しつつ経過して、新しい材料をまってブレイクするというパターンもあります。

このようにボラティリティと持ち合いの二点の観点から読み解いていけば、メジャーパターンにないものも応用的に理解していくことができるはずです。

taker、maker、持ち合いの、ボラティリティの意味や定義などは下記記事を参照ください。

まとめ

チャートパターンというと数十年前から存在する古臭いものに思えますが、その意味を考えながら使いこなせれば相場の本質的な理解につながります。
こういった理解は裁量だけではなく、機械トレードなどでも有効だと思います。
また、長期投資をする上でも重要なタイミングのいち早い理解につながります。

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