S&P500のセクターは市場テーマとの接点となる。

S&P500

S&P500指数は、先物の影響を受けますので、まるでひとつの銘柄かのように動きます。
そのため、初心者の方は、必ずしも各セクター・銘柄の価格からボトムアップ式に考えていく必要は、通常ありません。しかし、この記事では挑戦的試みとして

  • セクターの基礎知識や代表的銘柄
  • セクターごとの基礎的なパフォーマンス
  • セクターと景気サイクルの関係
  • セクターと商品や国債といった他の投資銘柄との相関性
  • セクターとSPXの相関性

といったテーマで掘り下げていこうと考えています。
前半はあえて私が書くような記事でもないですが、意外とネット上に情報が薄いので書いていきます。
後半は私が書きたい内容なのですが、まだ検証が足りていないので徐々にリライトしていく形とさせてください。

S&P500のセクターについて知ろう

まずは、概要から説明していきます。提示するデータは2020年3月10日のものなので、最新のデータは各自ご確認ください
ちょうど株の暴落時期に採取したデータのため特にエネルギー金融セクターがしぼんでいます。

セクターは11種類

セクターは11種類です。

 セクター名時価総額($1000)比重
1一般消費財2,492,717,08610.0%
2生活必需品2,104,473,7008.4%
3エネルギー657,779,9012.6%
4金融2,715,849,97010.9%
5ヘルスケア3,478,126,93513.9%
6資本財2,025,968,7748.1%
7情報技術5,757,477,08023.0%
8素材577,031,8852.3%
9不動産743,290,4003.0%
10コミュニケーション3,559,911,16714.2%
11公益871,548,5093.5%
 全体24,984,175,407100.0%
S&P500のセクターごとの時価総額比重。情報技術の比重が高く、全体としてはばらつきがある。

セクターの比重のばらつきはかなり大きいです。
情報技術の比重が一番高いです。一方、エネルギー、素材、公共などはかなり低いです。
情報技術には、2018年までgoogleとfacebookも属していましたが、現在はコミュニケーションに変更となっています。そして、amazonは一般消費財に属しています。
IT系企業を各セクターに分散しても、まだ情報技術の比重が高いのは、時代のせいでしょう。

各セクターの特徴を確認

各セクターを順番に見ていきます。それぞれ時価総額上位10社までを掲載しました。
なお、セクター分類については下記のリンクをご覧ください。
世界産業分類基準という業種の区分に関する資料です。

https://www.msci.com/documents/10199/0de3edd9-4306-4fa0-8f5e-e97c996831b4

一般消費財

一般消費財セクターの1位から10位までの銘柄

一般消費財外食やサービスと、食品・衛生品以外の小売りです。
生活必需品と比べると付加価値のある業態なのでamazonを中心に成長企業が多いです。その分配当性向は低めです。

オレンジが一般消費財、青がSPXのチャートの比較。概ね相関した動きをしながら一般消費財がオーバーパフォームしている。

パフォーマンス的には、SPXとの相関性が高い平均的な動きをしつつも指数をオーバーパフォームしています。

生活必需品

生活必需品セクターの1位から10位までの銘柄

生活必需品は主に食品と衛生用品等の小売りです。
この業界はオールドエコノミーに属し、成長性は低いのですが、高い配当と安定した値動きが特徴です。

水色が生活必需品、青色がSPXの比較チャート。パフォーマンス的にはかなり劣っている。

パフォーマンス的にはかなりの低成長セクターであり指数をアンダーパフォームしています。その分、指数が下げたときにも下げ幅は少ないため、下値を買ってもいくことのリスクが少ないのが救いです。配当性向が高いためインカムゲイン狙いで保持する人が多いようです。


エネルギー

エネルギーセクターの1位から10位までの銘柄

エネルギーセクターという名がついていますが、要は原油関連銘柄です。
特徴はSPXや他のセクターとの相関性より原油価格との相関性が高いことです。
原油には、新エネルギー、シェールオイル、減産増産など、経済以外の要素が多いため、SPXとのミクロな相関性はあっても中長期におけるダイナミズムにおいてはちぐはぐな動きをしています。 エネルギーセクターの比重はSPXにおいて小さいため、直接的な影響こそ小さいのですが、かなりダイナミックに動くものですから心理的な影響をもたらすことがあります。

青がSPX 紫が原油先物 黄色がエネルギーセクターの比較チャートです。

金融

金融セクターの1位から10位までの銘柄

金融セクターは平均的な動きをするセクターでSPXと相関性も高いです。
あえていえば、金融危機の際にダメージを受けやすいとか、平時でも金利の低下に短期的なマイナス反応をすることがあります。

紫の金融セクターと青色のSPXの比較。概ね平均的なパフォーマンス。

ヘルスケア

ヘルスケアセクターの1位から10位までの銘柄

ヘルスケアセクターは近年成長性の高いセクターです。SPXを大きくアウトパフォームしています。

水色のヘルスケアセクターと青色のSPXの比較チャート ヘルスケアが大きくアウトパフォームしている。

資本財

資本財セクターの1位から10位までの銘柄

資本財セクターは機械や重工業系です。値動き的にはSPXと相関性が高いですが、今やオールドエコノミー化してきている分野なので、やや成長性でSPXにアンダーパフォームしています。
また、景気に敏感なセクターなので、例えばキャタピラーの決算がその直接的影響以上に経済指標として指数を動かすことがあるので注意が必要です。

ピンクの資本財セクターが青色のSPXにアンダーパフォームしている

情報技術

情報技術セクターの1位から10位までの銘柄

近年特に成長性の著しいのがこのセクターです。またアップルとマイクロソフトは時価総額TOP3の常連となっています。レバレッジをかけた企業が多いので、低金利にて株価があがりやすいです。

赤色の情報技術セクターが青色のSPXを大きくアウトパフォームしている。

素材

素材セクターの1位から10位までの銘柄

素材セクターもこれといった面白い動きもなく成長性に欠け、SPXをアンダーパフォームしているセクターです。もともと最小のセクターなのであまりSPXへの影響も大きくありません。

薄い青の素材セクターが濃い青のSPXにアンダーパフォームしている。

不動産

不動産セクターの1位から10位までの銘柄

不動産セクターです。長期のデータがなかったのでパフォーマンスの比較は十分にできておりません。
金利に影響される業界です。低金利では住宅の購入が増えてパフォーマンスが上がります。

黄色の不動産セクターと青色のSPXの比較。不動産は2018まで低迷しているが利下げを決めた2019年からは良好。

コミュニケーション

コミュニケーションセクターの1位から10位までの銘柄

コミュニケーションセクターは、ケーブルTVやネットのインフラ系が多く、飽和状態であるため、成長は頭打ちとなっています。しかし2018にgoogleとfacebookが編入されてからは若干の成長を見せています。

水色のコミュニケーションセクターが青色のSPXにアンダーパフォームしている。

公益

公益セクターの1位から10位までの銘柄

公益セクターという名称はわかりづらいですが、要は電気ガスといったライフライン系のセクターです。
成長率でSPXにやや劣るものの非常に安定した成長線を描いているセクターです。特に近年は代替エネルギー関連で石油にとってかわる産業となりつつあります。景気にも左右されにくいので有望なセクターです。

オレンジの公益セクターと青色のSPXとの比較

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